Translator's Diary

may3da.exblog.jp
ブログトップ

<   2008年 09月 ( 4 )   > この月の画像一覧

インドな日々

最近、学校の話ばかりになっていたのでたまにはお仕事の話を。
まだ詳細は明かせませんが、現在とあるインド映画のコーディネーターをやっています。

インドの大手映画会社が製作するLow Budget映画なのですが
イギリスに留学中のインド人女子と日本人男子の恋愛物語。
撮影は来年、イギリスとインドで行われます。

私の役割はインドの映画会社と日本の製作協力会社、
日本人キャストを輩出する日本のプロダクション3社の調整役。
これが意外に大変で、毎日メールやSkypeでインドとやりとりしています。

9月にキャスト3名、マネージャー2名がインドに視察旅行に行って来たのですが
今日はその報告会で、プロダクションの社長さん、役者さんらと食事をしてきました。
毎回彼らと会うたびに、“芸能界って厳しいところなのねっ☆”と思うわけですが
国際的な映画で活躍する俳優さんが少ない日本の映画界。
彼らの活躍に期待は高まるばかりです…

私も来年の撮影期間中には一度インドを訪れてみたいと思っています。
実現するかどうかは分かりませんが、本場のヨガとインドカレーを堪能したいっ!
ただそれだけのためにクランクインまで長丁場ですが、頑張ります!
by may3da | 2008-09-26 23:35 | お仕事

日本の映画界

映画製作配給コースの第二回目のゲストは
元ATG(ArtTheaterGuild)社長、早稲田大学の客員教授、
日本映画学校の理事長の佐々木史朗さんでした。

長年に渡り、数多の映画をプロデュースされている佐々木氏のお言葉には
大変な重みがあります。

講義はまず、2007年の日本映画興行成績トップ10を紹介していただきました。
驚くべきことに、一作品を除いてすべて東宝配給の作品ばかり。
製作はほとんどせず、配給に徹する東宝の独り勝ち状態に
危機感を抱く人は少なくないようです。
また、10作品中ほとんどの作品がテレビドラマの映画化や
製作委員会に大手テレビ局が入っている作品である事実も忘れてはなりません。

お話は日本映画のマーケット規模へと続きます。
2007年、日本における映画興行収入は総額2000億円、総収入は7000億円。

2006年は21年ぶりに邦画の興行収入が洋画を上回りましたが
2007年の邦画と洋画の興行収入の割合は、邦画47%:洋画53%でした。
邦画ではメジャー(東宝 東映 松竹 角川)の割合が92%、
インディペンデント系が8%という結果でした。

次に佐々木史郎さんが代表を務める(株)オフィス・シロウズの製作作品の
成功例と失敗例の紹介。まさに雲泥の差と言える数字に一同仰天!

劇場配給収入、ビデオ収入、プログラム他グッズ収入、印税収入、テレビ収入、
外国収入と言った収入の内訳と製作費、A&P(宣伝・プリント)費、
出資者分配金、監督と脚本家への成功報酬などの支出の内訳を
こと細かに、そしてリアルにご説明いただきました。

続いては洋画の製作費のお話。今日、数百億円の巨額な製作費を使って
作られるようになったハリウッド映画の歴史を紐解いていただきました。
エジソンの(キネトスコープ)、リュミエールの(シネマトグラフ)から
始まった映画がどのような経緯で現在の形に至ったのかをお話いただきました。

ハリウッドはいわばユダヤ人村。メジャースタジオの創始者たちは全員が
ユダヤ人でした。もともとNYで映画を撮っていた彼らは、独占企業「トラスト」
の制裁を恐れて拠点をカリフォルニアに移します。

1940年代後半にはテレビが最盛期を迎え、アメリカの映画産業は危機を迎えます。
しかし、三大ネットワーク局の独占的競争力をそぐために設けられた
プライムタイム・アクセス・ルールとFINSYNルールによって、
ネットワーク系列局は、ネットワーク以外からの番組購入を義務づけられました。

そこで重宝がられたのがハリウッドの映画スタジオです。そんなわけで、
FINSYNルールが撤廃された1995年以降も、アメリカのほとんどのテレビドラマは
メジャースタジオが製作したものなのだそうです。

改めてアメリカと日本の映像業界の違いをご説明いただき、
これからの日本の映画界のあるべき姿に思いを巡らせることができました。

その昔、映画館に足を運ぶことでしか楽しめなかった映画は
今や携帯電話でも見られる時代になりました。

単なる“消費財”として使い捨てされない映画を作っていくことが
作り手に託された課題であることは、間違いありません。

(前回、今回の記事は学校のHPに投稿した記事とほぼ同じです)
by may3da | 2008-09-21 09:31 | 日記

刺激的な日々

あっと言う間に9月も後半に突入してしまいました。
先週は製作・配給コースの講義以外に俳優コースの見学に行ってきました。
何度でも聴講ができるので毎週行こうと思っています。

先週のゲストは映画監督/CMディレクター/小説家/作詞家のグ・スーヨン氏。
最初の1時間は、スーヨン監督のお話からスタート。
山口県下関で育った幼少時代の思い出から、現在に至るまでを
数多くのエピソードを交えてお話いただきました。

人気CMディレクターとして活躍した後、映画監督に転身された監督ですが、
クリエイターとして大成するために、20歳のころから「1週間に映画を10本、
本を10冊、CDを10枚、鑑賞すること」を習慣にされてきたそうです。

蓄積からしか何も生まれない、という彼の言葉には説得力があります。
監督は今もこの習慣を続けていらっしゃるようで、その蓄積のおかげで
“湯水のようにアイデアが湧いてくる”とおっしゃっていました。

現在、私が受けているコースでは4~5名でチームを組んで
映画の企画書を作成しています。予算とテーマだけが与えられ、
テーマに沿った映画の企画をまとめ、月末にプレゼンテーションを行います。

映画のストーリーなど考えたこともなかった自分にとって、これは拷問です。
自分にはもう少し創造力があると思っていたのですが、絞りだしても
なかなかアイデアは湧いてきません。本当に困ったくらいに…

アイデアが湧いてもそれを形にするのが難しくて、とてももどかしいのです。
同じチームのCMのディレクターの方にいろいろ教わりながら、
生みの苦しみを味わっています。(結構ストレスたまるんですね…)

セッションを通じて監督が強調されていたのは「考えて表現すること」の大切さ。
台本に書いてあるセリフを正確に伝えるだけでなく、行間を読み取り、
自分なりの解釈で表現方法を考え抜くことの重要性を力説されていました。
常に最良の表現方法を役者に要求し、現場で脚本を変えることもあるとか。

「役者の選考基準は?」という質問には「引き出しがいくつあるか」と
「自分(監督自身)の創造を超える引き出しを持っているか」が決め手だと
おっしゃっていました。

俳優というお仕事にも創造力が必要なのですね。
学校が始まってからというもの、目からウロコの連続です!
by may3da | 2008-09-18 20:35 | 日記

バタフライ理論

火曜日に学校が始まりました。クラスメートは総勢23名。
1日で新しい出会いが23回あるなんて
普段の生活ではありえないな~、と思いつつ…
20代前半から50代まで幅広い年齢層の皆さんと
これから約4ヵ月間机を並べてお勉強します。

今回は主に23名の自己紹介だったのですが
講義の前にそれぞれプロフィールを提出していて
それを読むのもすごく楽しかったです。

すでにクリエイティブな仕事をされている方も多く
写真や絵を使った個性豊かなプロフィールがたくさん…
中には脳内メーカーの頭の絵だけ、なんて人もいました。

携帯メールでさえ絵文字を使わない私のプロフィールは
誰のものよりも殺風景で恥ずかしかった…

何よりびっくりしたのが、23名中私のほかにもう1人、
字幕翻訳をやってる方がいらっしゃったこと。
その方は韓国語の翻訳者でしたが、すごい偶然に驚き
初日から仲良くなっちゃいました。(そう思ってるのは私だけかも)
実に8年ぶりのスクール通い、存分に楽しみたいと思います。

今回は学部長の李さんが、おひとりで進行役をつとめられ
とても面白いお話をたくさん聞くことができました。
その中でも最も興味深かったのは、「バタフライ理論」のお話です。

「ある日ある時間に、あるチョウがアマゾンでぱたぱたと羽ばたいたという事実があり、
翌週カリフォルニアでハリケーンが起こったという別の事実があったとする。
この二つの事実の間に関係がないことを証明することはできない。」

この理論から導き出されるのは、
どんな小さなことも何らかの形で何かに影響を与えることができる
すべての事柄はすべて関係している ということ。

李さんが映画を作る理由はきっとここにあるのだな、と思ったら
聞いていてちょっと泣きそうになってしまいました…
by may3da | 2008-09-05 00:24 | 日記