Translator's Diary

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「ゆれた」

昨夜、NHKで「ザ・インタビュー 坂本龍一×役所広司 
~世界が求める日本のカタチ~」を見た。

NHKが映画のプロモーション番組をやるのは珍しいが
映画「シルク」は日本=カナダ=イタリア合作の国際プロジェクトなので
特別な意味があるのだろう。それにしても、とても興味深い話が聞けた。

お2人は一環して「“クールジャパン”な今、日本のエンターテインメントに対する
世界の評価は着実に上がっている」というポジティブな見方を示していた。

番組の最後にアナウンサーがお2人に
「(現代における)グローバルスタンダードとは?」という質問を投げると
海外で高い評価を受ける音楽家と俳優は同じ答えを返した。

「いわゆる“グローバルスタンダード”に右ならえする時代は終わった。
今、世界に求められる国際人とは祖国の文化や歴史をきちんと理解し、
その国の人間としての価値を提供できる人だ。
日本人は、日本人としてのアイデンティティーを前面に出し、
日本人としての個性で勝負していく時代である」と。

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映画「シルク」は2007年10月20日から行われた東京国際映画祭の
クロージング作品だった。私は映画祭には足を運んでいないが、
東京国際映画祭のもう1つの顔、フィルムマーケットのTIFFCOMに参加した。

TIFFCOMに出展するアニメ作品の英語字幕製作をやらせていただいた経緯で、
スクリーニング(バイヤーが出席する試写会)に招待して頂いたのだ。
もちろん見本市のブースも回り、様子をうかがってきた。

2007年のTIFFCOMはマーケット会場のブースを昨年の99から129へとコマ数を増やし、
規模を拡大していた。さらに、通常315,000円するブース料を105,000円に抑えた
安価な「チャレンジブース」も20コマ設けていた。

日本の主要メディア、映画会社はもちろん、韓国、中国とアジアの出展者が目立つ。
東南アジアのブースも比較的多かったように思う。
私が行った時間が悪かったのか、残念ながらバイヤーの姿はあまり見られなかったが、
着実に成長している様子は見てとれた。

経済産業省もコンテンツ産業の強化に力を入れているし、
面白い日本映画が確実に増えていることは映画ファンが一番よく知っている。

そして今日、西川美和脚本・監督の映画「ゆれる」を見た。
文字通り、心を揺さぶられる(そういう意味なのか?)すばらしい映画だった。
本作の制作プロダクションはテレビマンユニオン。
あの重延浩さんが関わっている。

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私は子どもの頃からハリウッド映画の華やかな世界に魅了され、
アメリカに憧れて米国留学を果たした。
ときは1992年、アメリカは不景気のどん底で
18歳の私は、映画の世界と現実のギャップに心底驚いた。
(留学するまで日本を出たこともない田舎者だったのだ)

24歳で帰国すると、まるで不景気が私の後を追ってくるかのように
今度は日本が不景気になっていた。

2006年にLAで3か月暮らした時はアメリカの景気の良さに目を疑い、
そして日本の円の弱さに泣いた。留学していた1992年頃は最強の円高で
1ドル=88円の時代だったから、何を買っても安いと感じていたのに…

「円で稼いでいてこの先大丈夫か?」と真剣に悩み始めた2007年、
予想通りアメリカで住宅バブルがはじけた。
米経済が影を落とすと、原油高も手伝って、
2008年の日本はまた不景気ムード… 日々、株安が進んでいる。

しかし!!である。

こんな今だからこそ、私たちが身を置くコンテンツ産業が日本を救ってくれると信じたい。
そしてその準備は、十分に整っているように思う。

日本の再生に少しでも役に立ちたいと思う今日この頃なのである。
by may3da | 2008-01-13 16:40 | コンテンツ